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帯状疱疹の治療薬

日曜日, 8月 12th, 2007

KW:薬物療法・帯状疱疹・herpes zoster・水痘-帯状疱疹ウイルス・varicella-zoster virus・VZV・神経痛・持続性神経痛・帯状疱疹後神経痛・post-herpetic neuralgia・PHN

Q:帯状疱疹の療治に使用される薬剤、特に鎮痛剤について

A:水痘-帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus:VZV)の感染症である帯状疱疹(herpes zoster) は、片側性、末梢神経支配領域に沿って2-5mm大の小水疱が多発(疱疹)、激しい神経痛を伴う。一部では皮疹治癒後も、慢性、持続性神経痛(帯状疱疹後神経痛:post-herpetic neuralgia、PHN)が残り、頻度は60歳から急増する。

[1]抗ウイルス療法:皮疹出現5日以内に行う。

  • 軽症-中等症Rp.1)valaciclovir hydrochloride——500mg/錠——1回1000mg—–1日3回

    バルトレックス錠(GSK)

    *本剤はaciclovirのプロドラッグである。

  • 中等症-重症Rp.1)aciclovir—250mg/v—1回5mg/kg–1日3回—-点滴静注 7日間

    点滴静注用ゾビラックス(住友-GSK)又は

    Rp.2)vidarabine—-300mg/v—-1回5-10mg/kg–1日1回—-点滴静注 5日間

    アラセナ-A注(持田)

[2] 神経痛に対して

  • Rp.1)mefenamic acid—-250mg/C—–1日750mg

    ポンタールカプセル(三共)又は

    Rp.2)naproxen—–100mg/錠——–1日300mg

    ナイキサン錠(田辺)

NSAIDsの処方に対しては、消化器系の副作用を回避するため粘膜防御因子強化作用を有する胃炎・潰瘍治療薬(teprenone等)を併用する。皮疹及び神経痛を伴う場合、上記[1]及び[2]の処方を併用する。

なお、上記以外に『帯状疱疹』の適応が記載されているNSAIDs等として次記の薬物がある。

一般名 商品名(会社名) 1日投与量
flufenamic acid aluminium オパイリン錠(大正富山) 消炎 750mg/日
ketoprofen カピステンカプセル(キッセイ) 鎮痛・消炎
150mg/日
tiaramide hydrochloride ソランタール錠(藤沢) 鎮痛・消炎
300mg/日
vacciniavirua 接種家兎炎症皮膚抽出液 ノイロトロピン錠(日本臓 器) 帯状疱疹後神経痛16単位/ 日

その他、『症候性神経痛』又は『神経痛』の適応のある薬剤として、次記のものがある。

一般名 商品名(会社名) 1日投与量
acetaminophen カロナールカプセル(昭和薬化) 900-1500mg
aspirin バファリン錠(ブリストル) 4-12錠
アスピリン末(各社) 1-4.5g
diclofenac sodium ボルタレン錠(ノバルティス) 75-100mg
dibucaine hydrochloride ネオビタカイン注(三菱ウェルファーマ) 適量
epirizole メブロン錠(第一) 150-450mg
ibuprofen ブルフェン錠(科研) 600mg
indometacin インダシンカプセル(万有) 25-75mg
salicylamide サリチルアミド(岩城) 3-6g
sodium salicylate カシワドール注(三菱ウェル ファーマ) 1管
サルソニン注(扶桑) 0.5-1g/回適宜

[035.1.VAR:2004.1.26.古泉秀夫]


  1. 山口徹・他総編:今日の治療指針;医学書院,2003
  2. 高久史麿・他監修:治療薬マニュアル;医学書院,2003
  3. ノイロトロピン特号添付文書,2003.4.改訂