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セスデンの副作用-全身のしびれ感

日曜日, 8月 12th, 2007

Q:朝食前30分に当帰芍薬散1 包を服用。朝食後にルル3 錠・三共胃腸薬1 包を服用した。その後胃のむかつきが治まらないためセスデン1 Capを牛乳で服用したところ手指から全身がしびれ、口もきけなくなり救急車で運ばれた。尚、当帰芍薬散は常時服用していた。薬剤が原因だとすれば服用薬剤のうちどれが該当するか

A:各薬剤の組成及び報告されている副作用等は次ぎの通りである。

当帰芍薬散エキス(津村順天堂)

  • 本品7.5g中に芍薬 4.0g ・蒼朮 4.0g ・沢瀉 4.0g ・茯苓4.0g・川キュウ 3.0g ・当帰 3.0g 。
  • 本剤の適応症は貧血、倦怠感、更年期障害、月経不順、月経困難、不妊症、動悸、慢性腎炎等であり、添付文書中に副作用等の記載はされていない。また、本剤は常時服用していること及び服用後の時間経過から見て、服用後既に1時間以上経過したと考えられるため、本剤による副作用の可能性は除外できるものと考える。

三共胃腸薬

  • 「新三共胃腸薬(三共株式会社)」として散剤・細粒剤・顆粒剤・錠剤が市販されており、どの商品名に該当する薬剤かは不明であるが、散剤の処方について検討する。
  • 1.4g中にタカジアスターゼA 150mg・タカジアスターゼN1 25mg・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(乾燥物) 320mg・炭酸水素ナトリウム 300mg・沈降炭酸カルシウム 225mg・l-メントール 2mg・黄連末 15mg ・黄柏末 35mg ・桂皮末 74.5mg ・ウイキョウ末 20mg ・チョウジ末10mg・生姜末 24.5mg ・甘草末 118mgを含有する製剤で、配合されている薬剤を見る限り、該当する副作用を惹起する薬剤は配合されていないものと考えられる。

新ルルA錠(三共)

  • 9 錠中にフマル酸クレマスチン 1.34mg ・塩化リゾチーム 60mg (力価)・アセトアミノフェン 900mg・リン酸ジヒドロコデイン 24mg ・ノスカピン 36mg ・dl- 塩酸メチルエフェドリン 60mg ・グアヤコールスルホン酸カリウム 240mg・無水カフェイン 75mg ・ベンフォチアミン(ビタミンB1) 24mg を含有する製剤で、上記含有量は成人1 日量である。

セスデン(田辺製薬)

  • 1 錠中にtimepidium bromide 30mg を含有する鎮痙・鎮痛剤であり、経口投与時の副作用として全身のしびれ感等は報告されていない。本剤の相互作用については三環系抗欝剤・フェノチアジン系薬剤・MAO阻害剤・抗ヒスタミン剤との併用で、本剤の作用増強の報告がされている。
  • 尚、本剤の注射剤の副作用として頭痛、眩暈、頭重感、眠気、しびれ感、脱力感等が報告されている他、ショックの発現も報告されている。但し、該当する副作用の発現率は記載されていない。
  • また、動物(イヌ)実験の結果として、鎮痙作用を示す薬用量の3倍を静脈内投与したとき血圧は一過性に下降し、心拍数は増加するが、呼吸は変化しないとする報告が見られる。
  • 本剤の成分であるtimepidium bromideの原末は脂溶性の物質であり、牛乳での服用により本剤の吸収が促進され、急激な血中濃度の上昇が見られた場合、注射剤使用時と同様のしびれ感等が発現する可能性は存在すると考えられる。
  • また、新ルルA錠中には併用により本剤の作用増強がいわれる抗ヒスタミン剤(フマル酸クレマスチン)が配合されており、これらの複合的な影響により発現したものと推測されるが、あくまで推論の域を出ない。多剤併用時の副作用発現を一種類の薬剤に絞ることは困難である。

 [124.FD18.065TIM][1991.8.7.・1999.4.2.一部修正.古泉秀夫]


  1. ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒添付文書,1986
  2. 日本医薬品情報センター・編:一般薬医薬品集 1990 ?1991;薬業時報社,1989
  3. セスデン添付文書,1990
  4. セスデン注射液添付文書,1990
  5. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:FAX.DI-News,No.144,1991.8.19.より転載