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水酸化ナトリウムの希釈法

土曜日, 8月 11th, 2007

KW:物理化学的性状・水酸化ナトリウム・希釈法・試薬・JIS試薬特級・JIS試薬一級・日本工業規格・Japanese Industrial Standard・JIS

Q:水酸化ナトリウムの水溶液の作り方及び特級、1級の基準について

A:試薬は、用途に応じて一定の品質が保証されたものであるが、この品質の内容を定めたのが試薬規格である。

国が定めた試薬規格では、日本工業規格(Japanese Industrial Standard:JIS)と認証試薬規格(NR規格)があり、それぞれに規格制定がされている。また試薬の品質水準に応じて、通常、特級、1級等に区分されている。

その他、試薬の品位については、JIS試薬特級、JIS試薬一級の他に、試薬製造企業が自主的に設定している『試薬特級』、『試薬一級』の品位区分がされている等の報告がされており、原則的には不純物を除外し精製した試薬ということからいえば、『JIS試薬特級』を選択することになるが、必ずしも全ての試薬がJIS規格が制定されているわけではない。水酸化ナトリウム(sodium hydroxide:NaOH)は、定量するとき95.0%以上を含む。本品は白色の小球状、薄片状、棒状又はその他の塊で、堅く、もろく、断面は結晶性である。水又はエタノール(95)に溶け易く、ジエチルエーテルに殆ど溶けない。

本品は空気中で速やかに二酸化炭素を吸収する。本品は湿気によって潮解する。本品の水溶液(1→500)はアルカリ性である。 溶状:本品1gを水20mLに溶かすとき、液は無色澄明である。

本品は発熱して水に溶ける。

0℃ 5℃ 10℃ 20℃ 30℃
42.0 47.5 51.5 109 119

本品は腐食性が極めて強く、蛋白質、毛などを溶かす。本品は強電解質の一つで、水溶液は強アルカリ性である。以上の各報告から本品の希釈溶液を調製する場合、安全面での十分な注意が必要である。

必要とする濃度に対応する精製水をビーカー等に秤取し、必要量の水酸化ナトリウムを加え、ガラス棒で緩徐に攪拌する。調製に際し、直接手に触れないようゴム手袋をし、眼鏡を掛ける等の安全対策を施すこと。

[014.4.SOD:2004.1.13.古泉秀夫]


  1. CHEMICALS 32Ed.,2002
  2. 日本試薬連合会・編:改訂 試薬ガイドブック;化学工業日報社,1992
  3. 第十四改正日本薬局方解説書;広川書店,2001