瑞香狼毒について
土曜日, 8月 11th, 2007?KW:漢方薬・沈丁花科植物・瑞香狼毒 ・抗癌剤・抗がん剤・抗腫瘍効果
Q:沈丁花科植物で抗癌剤として用いられる瑞香狼毒について
A:生薬「瑞香狼毒」(StellerachamaejasmeL.)は、沈丁花科の多年生草本植物であり、華北の各地に分布していると報告されている。
石家荘人民病院腫瘍科主任-楊宝印らは抗癌生薬を選別する実験を行った際に、瑞香狼毒は顕著な抗癌作用を有することを突き止めた。動物実験及び臨床試験の結果によると、瑞香狼毒は肝臓癌、子宮体癌、EC腹水癌、肺腺癌及び脳膠細胞腫等の悪性腫瘍に対して、全て顕著な抑制作用を有することが分かった。
瑞香狼毒を使用し、60例の悪性腫瘍患者を治療した結果、完全緩解が3例、部分的緩解が9例、現状維持が3例であり、客観的有効率が63%であった。
60例中、中末期肝臓癌45例、完全緩解と部分的緩解者は27%を占めており、単純化学療法、総合療法及びここ数年来開発された幾つかの抗癌新薬の効果より優れていることが明らかにされた。
中国産の植物「瑞香狼毒」の根から制癌効果の高い物質を抽出することに国立がんセンター研究所のグループ(化学療法部:池川哲郎ら)が成功した。現在臨床で使用されている植物由来の制癌剤と同等以上の効果が動物実験で確かめられ、製薬化が有望だという。
白血病細胞を移植したマウスに対する実験で、抽出物を分離精製した物質は、2mg/kgの投与で100%を越える延命率を示したとされる。現在、同物質の化学構造を決定する研究が進められている。
[510.FD14.011.1STE][1991.2.25.・1999.3.25.一部修正.古泉秀夫]
- 生薬瑞香狼毒は顕著な抗癌作用を有する;中国医薬情報,3(11):12(1990)
- 中国産の植物の根から-制癌物質抽出;毎日新聞,1990.7.1
- 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:FAX.DI-News,No.31,1991.3.1.より転載