しゃっくり治療剤としての柿のへた
土曜日, 8月 11th, 2007Q:しゃっくりの薬として柿のへた(漢方製剤名:シテイ)が使用されるというが、その用法・用量等について
A:柿蔕(CalyxKaki)は、融点275℃の無窒素結晶性物質を含有する。味は著しく収斂性である。含有成分としてタンニン、糖質、オレアノール酸、ウルソール酸等が含まれているが、有効成分は不明であるとされている。
1日8gを煎剤として吃逆の治療に用いるとされている。
柿蔕煎剤の調製については、次の報告がされている。
柿蔕6個以上精製水適量 | |
調製法 | 柿蔕6個(以上)を精製水180mLで30分煎じ、冷後、ろ過し、1日100mLとする。 |
使用期限 | 2?3日 |
適応 | 術後患者のしゃっくり、横隔膜痙攣。 |
用法・用量 | 上記の調製法で煎じた液を1日3?4回に分服する。 |
柿蔕20g精製水全量90mL以上1日量 | |
用法 | 1日3回毎食間 |
貯法 | 冷所保存 |
調製法 | 柿蔕を薬罐に入れ(90mL×日数)の約3倍量の水を加え 電熱器目盛り強5で約1時間半煎じる(フタは取っておくと速くできる)。 ガラスロートにガーゼを2枚敷き、シリンダー中にろ過する。 不足量は精製水を足して全量とする。 |
尚、漢方製剤であるため、即効性は期待できないが、3?4日程度継続服用した時点で効果が発現する経験を有している。
[510.FD18.015.4DIO][1991.9.10.・1999.4.5.一部加筆訂正.古泉秀夫]
- 小林正夫:民間薬覚え書き(113)-カキノキ;都薬雑誌,12(10):29-31(1990)
- 刈米達夫・他編:和漢薬用植物:広川書店,1954
- 日本病院薬剤師会・編:病院薬局製剤第三版;薬事日報社,1990
- 慶応義塾大学病院薬剤部・私信,1991
- 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:FAX.DI-News,No.163,1991.9.13.より転載