白湯の温度について
金曜日, 8月 10th, 2007KW:語彙解釈・白湯・素湯・微温湯・温湯・熱湯・白湯の定義・白湯の温度・plain hot water
Q:患者に薬の服用について指示する際、水又は白湯で服用するよう伝えたところ白湯の温度は何度かの質問がされたが、白湯の温度は定められているか
A:通常、白湯又は素湯とは『味を付けたり、他のものを入れたりしない、ただの湯(plain hot water)』と理解されている。従って、白湯の温度が何度であるかの規定はされていない。
玉露の浸出法で用いられる温度は60℃、煎茶の浸出法では90℃、珈琲では熱湯とされている。
また、日本薬局方では、冷水=10℃以下、微温湯=30-40℃、温湯=60-70℃、熱湯=約100℃と規定されている。
薬を服用する場合、水又は白湯での服用を奨めるのは、混在する他の成分が薬の効果に影響することを避けるためであり、温度について期待するとすれば二次的なものであると考えられる。
しかし、薬を服用するのに舌を焼くような熱湯では、服用困難であり、当人の服用し易い温度ということになるが、何等かの指標が必要であるとするなら、微温湯での服用を推奨する。
なお、新人ママが公園での雑談で、赤ちゃんには、『シロユ』がいいんですってねと言って笑われたとする新聞の投稿を見たが、『白湯又は素湯』は“サユ”であって、“シロユ”ではないので念のため。
[615.8.PLA:2003.6.2.古泉秀夫]
- 三省堂国語辞典 第4版,1992
- 香川芳子・監修:五訂食品成分表;女子栄養大学出版部,2003
- 第十四改正日本薬局方解説書;廣川書店,2001