トップページ»

紅麹について

金曜日, 8月 10th, 2007

KW:健康食品・コウジ菌・麹菌・紅麹・黄麹・ベニコウジ色素・食効

Q:紅麹について

A:通常我国で清酒・醸造酒・味噌・醤油等の発酵食品に用いられる麹菌は、「黄麹」と呼ばれる種類(アスペルギルス属の糸状菌)であるが、中国・台湾では、紅色をした「紅麹」(モナスカス属の糸状菌)が、紅酒、紅老酒、紅乳腐などの醸造に古来から用いられていた。

紅麹は黄麹より繁殖力が弱く、管理が難しいため、日本では沖縄の加工豆腐に使用される程度で、1970年代の当初発ガン性の疑いがいわれた合成着色料に代わる天然色用色素として利用されるまで、それほど活用例はなかった。

紅麹色素(ベニコウジ色素:monascus color;モナスカス色素)

子のう菌類ベニコウジカビ(monascus pilosus K.Sato ex D.Hawksworth et Pitt)の菌体より室温時?微温時含水エタノール又は含水プロピレングリコールで抽出して得られる。

本品はアザフィロン系のモナスコルブリン、アンカフラビン等を主成分とする赤色色素である。本色素の色調はpHの変化に対して安定しているが、産生で沈殿を生ずる。

蛋白質への着色性は極めて良好であるため、水産練り製品や味付タコ等に広く使用されている。

本色素は光に対する安定性が比較的弱いため、本色素を用いて着色した製品の包装材料等は、可視光線の影響をカットするもの、又は赤色や橙赤色の包装材料を用いることが望ましい。

本来、紅麹は「消化・血行をよくし、内臓を賦活して胃を軽快にする」として漢方薬として使用されていたが、1980年代以降、機能性食品としての見直しが始まり、コレステロール合成阻害物質、ガン予防効果、特に顕著な血圧降下作用、血圧上昇抑制作用が相次いで発見された。

紅麹の血圧調整有効成分として、γ -アミノ酪酸が確認され、現在紅麹を使用した清酒・醸造酢・味噌等の多彩な醗酵製品が製造されている。また、メラニン生成抑制効果があるとする報告が見られる。

その他、紅麹(グンゼ株式会社)の主成分であるモナコリンK及びγ-アミノ酪酸のうちモナコリンKが体内のコレステロール合成の酵素であるHMG-CoAレダクターゼを特異的に阻害し、血中のコレステロールを減少する等の報告もされている。

その他、中国産の紅酵母抽出物から抽出されるロバスタチンは米国でコレステロール低下剤として市販されているが、ロバスタチン中にコレスチンが含まれている。サプリメントとして使用されるコレスチンは量も少なく、副作用等は見られない。

健康食品としてベニコウジ粉末400mg/粒とするコレステインTM(Cholestin)[ニュースキンジャパン]が市販されている。

エネルギー 3.00Kcal
蛋白質 0.10g
脂質 0.00g
炭水化物 0.50g
ナトリウム 1.00mg

その他の原材料:マルトデキストリン、微結晶セルロース、ブドウ糖、澱粉、ダイズ油、大豆ファイバー、微粒二酸化ケイ素、デキストリン、CMC-Na、大豆レシチン、クエン酸Na。

[011.1MON:2000.5.2.古泉秀夫]


  1. 奥田拓道・監修:健康・栄養食品事典;東洋医学舎,2000-2001
  2. 鈴木郁生・他監修:第7版 食品添加物公定書解説書;廣川書店,1999
  3. 健康産業流通新聞,第458号,1999.8.26.
  4. ニュースキンジャパン・私信,2000.5.2.