クレソンの食効について
金曜日, 8月 10th, 2007KW:健康食品・機能性食品・クレソン・cresson・ウォータークレス・watercress・機能性成分・食効
Q:クレソンの食効及び機能性成分について
A:クレソン(cresson)は春先にでる若芽の呼称で、ウォータークレス(watercress)が英名での一般的名称であるとされる。
cressonはフランス名の呼称で、アブラナ科オランダガラシ属の多年草である。
- 学名:Nasturtium officinale R.Br.
- 和名:ミズガラシ、オランダガラシ(和蘭芥子)。
学名の属名はラテン語で『鼻がねじれる』の意。種名は薬効があるという意味で、元々は薬用植物である。
ヨーロッパ原産で、日本には明治初期に渡来し、在留外国人の食用に栽培されていたものが逸出し、帰化植物として全国の水の綺麗な河畔、溝などに群落を作るようになったとされる。
- 薬用部分:全草(西洋菜乾;セイヨウサイカン)。全草又は青葉を採り、水洗いして日干しにして貯える。
- 成分:全草にある辛味は、グルコナストルチイン(gluconasturtiin)の加水分解により、フェニール・エチル・イソチアナートを生じるためとする報告が見られる。
その他、辛味成分としてシニグリン(sinigrin)という微量成分を含有する。又は成分として配糖体のグルコナスツルチイン (gluconasturtiin)、フェニルエチルイソチオシアネート(phenylethylisothiocyanate)の他、マンガン、鉄、燐、ヨウ素、カルシウムなどのミネラル、ビタミン類とする報告もされている。
- 薬効:健胃、清血、増血、利尿、去痰、駆虫、解毒、解熱薬として用いられた。
なお、cressonの栄養成分(茎葉<生>可食部100g中)は以下の通り。
energy | 15kcal | |
水分 | 94.1g | |
蛋白質 | 2.1g | |
脂質 | 0.1g | |
炭水化物 | 2.5g | |
灰分 | 1.1g | |
無機質 | Na | 23mg |
K | 330mg | |
Ca | 110mg | |
Mg | 13mg | |
燐 | 57mg | |
鉄 | 1.1mg | |
亜鉛 | 0.2mg | |
銅 | 0.05mg | |
Mn | ? | |
vitamin A | retinol | (0) |
carotene | 2700μg | |
retinol当量 | 450μg | |
vitamin | D | (0) |
E | 1.6mg | |
K | 190μg | |
B1 | 0.10mg | |
B2 | 0.20mg | |
niacin | 0.5mg | |
B6 | 0.13mg | |
B12 | (0) | |
葉酸 | 150μg | |
パントテン酸 | 0.30mg | |
C | 26mg | |
脂肪酸 | ? | |
食物繊維 | 水溶性 | 0.2g |
不溶性 | 2.3g | |
総量 | 2.5g | |
食塩相当量 | 0.1g |
[015.9.CRE:2005.8.1.古泉秀夫]
- 三橋 博・監修:原色牧野和漢薬草大図鑑;北隆館,1988
- 阿部 誠・他監修:ハーブスパイス館;小学館,2000
- 奥田拓道・監修:健康・栄養食品事典-機能性食品・特定保健用食品;東洋医学舎,2004-2005
- 香川芳子・監修:五訂食品成分表;女子栄養大学出版部,2005