金属アレルギー - 貼付試験
金曜日, 8月 10th, 2007KW:物理・化学的性状・過敏症試験・貼付試験・金属アレルギー・patch test・パッチテスト
Q:処方せん持参患者が、義歯装着後に皮膚のトラブルが増えたと言っているが、どの様に対処すればよいか
A:患者の質問内容から薬局で対応することは困難であり、受診中の歯科医に申し出るよう助言する。アレルギー性接触皮膚炎の確定診断、原因解明のために行う検査は『貼付試験(patch test)』である。
被検物質を皮膚に接触させ、その部位に炎症等が発現するか否かを調べる方法である。
開放法と閉鎖密封法とがあるが、開放法は被検物を単に塗布あるいは接触させるだけであり、感度が低い。従って症状から極めて強い反応が予想される場合にのみ行われる方法である。
通常は閉鎖密封法で行うが、種々の貼付材料が市販されている。パッチテスト用adhesivplasterの所定の位置に少量の被検物質を塗布して皮膚に貼付する。
貼付部位としては、通常背部傍脊柱領域が用いられ、一時に30-40種の被検物質の試験が可能であるとされている。
多種類の試験用アレルゲンが市販されており、原因のスクリーニングや原因物質の同定に利用されている。
貼付は48時間行い、除去1時間後と翌日に判定する。最もよく用いられる判定基準は国際接触皮膚炎研究グループによるものである。
(?) | 反応なし |
(+?) | 疑わしい反応(弱い紅斑) |
(+) | 弱い陽性反応(紅斑、浸潤、 時に丘疹) |
(++) | 強い反応(紅斑、浸潤、丘 疹、小水疱) |
(+++) | 極めて強い反応(水疱形成) |
(IR) | 刺激反応 |
未知の物質を検査する際には、刺激反応を生じさせないため、被検物質の処理や濃度の設定に注意を払う必要がある。
またI型反応の検査では、短時間の貼付・判定が必要である等の報告がされている。歯科医が実施するのかあるいは近医の皮膚科医に依頼をするのかは別にして、受診中の医師と相談することが最も順当な方法である。
[014.4.PAT:2004.3.16.古泉秀夫]
- 国立国際医療センター国立病院療養所医薬品情報管理センター・編:医薬品情報Q&A[9];株式会社ミクス,1996
- 医学大辞典;南山堂,1992