トップページ»

感染症の分類-重要な感染症』

木曜日, 8月 9th, 2007

KW:滅菌・消毒・感染症・感染症分類・一類感染症・二類感染症・三類感染症・四類感染症・五類感染症

Q:重要な感染症について、表にまとめたものはあるか。

A:重要な感染症の『重要な』は、取り方によって異なると考えられる。感染症としての『重症度』なのか、あるいは『院内感染』としての重要度なのか、『有効な治療薬がない感染症』であるために重要なのか等である。しかし、取り敢えずということで、我が国において法律に基づいて分類されている感染症を表示してあるので、それを紹介する。

一類感染症 エボラ出血熱、クリミア・コ ンゴ出血熱、

ペスト

マールブルグ病

ラッサ熱

重症急性呼吸器症候群(病原体がSARSコロナウイルスであるものに限る。)

痘そう(天然痘)

■感染力、罹患した場合の重篤性から判断して、危険性が極めて高い感染症。
二類感染症 急性灰白髄炎コレラ

細菌性赤痢

ジフテリア

腸チフス

パラチフス

■感染力、罹患した場合の重篤性から判断して、危険性が高い感染症。
三類感染症 腸管出血性大腸菌感染症 ■感染力、罹患した場合の重篤性から判断して、危険性は高くないが、特定の職業への就業によって 集団発生を起こしうる感染症。
四類感染症 ウエストナイル熱エキノ コックス症

黄熱

オウム病

回帰熱

Q熱

狂犬病

コクシジオイデス症

腎症候性出血熱

炭疽

つつが虫病

デング熱

日本紅斑熱

日本脳炎

ハンタウイルス肺症候群

Bウイルス病

ブルセラ症

発しんチフス

マラリア

ライム病

レジオネラ症

A型肝炎

E型肝炎

高病原性鳥インフルエンザ

サル痘

ニパウイルス感染症

野兎病

リッサウイルス感染症

レプトスピラ症

ボツリヌス症(乳児ボツリヌス症を変更)

■既に知られている感染性の疾病であって、動物等の物件を介して人に感染し、国民の健康 に影響を与えるおそれがあるものとして政令で定める感染症。
五類感染症 (全数把握)アメーバ赤痢ウイルス性肝炎(A型肝炎及びE型肝炎を除く)

急性脳炎(ウエストナイル脳炎及び日本脳炎を除く)

クリプトスポリジウム症

クロイツフェルト・ヤコブ 病

劇症型溶血レンサ球菌感染症

後天性免疫不全症候群

ジアルジア症

髄膜炎菌性髄膜炎

先天性風しん症候群

梅毒

破傷風

バンコマイシン耐性黄色ブ ドウ球菌感染症及び

バンコマイシン耐性腸球菌感染症

(定点)RSウイルス感染症

咽頭結膜熱

インフルエンザ(高病原性鳥インフルエンザを除く)

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

感染性胃腸炎

急性出血性結膜炎

クラミジア肺炎(オウム病を除く)

細菌性髄膜炎

水痘

性器クラミジア感染症

性器ヘルペスウイルス感染症

尖圭コンジローマ(尖形コンジロームから変更)

成人麻しん

手足口病

伝染性紅斑

突発性発しん

百日咳

風しん

ペニシリン耐性 肺炎球菌感染症

ヘルパンギーナ

マイコプラズマ肺炎

麻しん(成人麻しんを除く)

無菌性髄膜炎

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症

薬剤耐性緑膿菌感染症

流行性角膜炎

流行性耳下腺炎

淋菌感染症

■国が感染症発生動向調査を行い、その結果などに基づいて必要な情報を一般国民や医療関 係者に提供・公開していくことによって、発生・拡大を防止すべき感染症

上表には、病院内感染で難治性の感染症を惹起する細菌の一部は記載されていない。また結核については、『結核予防法』に規定されているため、本表には含まれていない。しかし、一般論として重要とされる感染症は網羅されている考えられるので、参照されたい。

[615.28.INF:2004.1.12.古泉秀夫]


  1. 官報 号外第239号,15.10.16.
  2. 岡部信彦:感染症対策・予防接種の知識;調剤と情報,9(12):1679-1683(2003.11)
  3. 官報 号外第251号,15.10.30.
  4. 官報 第3716号,15.10.22.
  5. 基本医療六法編纂委員会・編:基本医療六法;中央法規,2002