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漢方薬で鮫の骨が入っている製剤

木曜日, 8月 9th, 2007

?KW:漢方薬・サメ骨・鮫骨・漢方エキス製剤

Q:漢方薬で鮫の骨が入っている製剤。腹水の治療に使用するとのこと。

A:現在市販されている漢方エキス製剤として、鮫の骨が配合されている製剤は存在しない。また、漢方成分として鮫魚(こうぎょ)と称するものがドチザメ科のホシザメに相当するが、皮・鰭・胆・うきぶくろ等が薬用に使用されるとするだけで詳細な薬効は説明されていない。

但し、鮫骨に関する検索により、次の資料が入手できた。

カーティレイド[Cartilade](カーティレイドジャパン株式会社)

〒103 東京都中央区日本橋人形町1-1-22 恩田ビル 6階

TEL.03-3639-1966 FAX.03-3639-5286)

人とは対照的に鮫の癌罹患率は100万匹に1匹若しくはそれ以下ということから鮫の抗癌力についての検討が行われ、細菌・ウイルス・化学物質等に対し有効な抗体を作り出す特殊な免疫機能を持つということが解明された。更に巨大な肝臓が発癌物質の活性化を抑制することも判明したが、同時に鮫の全身が血管のない軟骨で形成されていることが重要な役割を果たしていることも解明された。

つまり軟骨に含まれている抗脈管形成成分が、癌の治療に大きな意味を持つと考えられた。1960年M.J.フォークマン博士(ハーバード大学)が、「自分を養ってくれる血管がなければ、腫瘍は増殖できない」という仮説を立て、細胞分裂のエネルギー源の補給路となる新生血管の形成をブロックすれば、癌の転移、増殖を抑制することが可能になる。そこで血管のない軟骨に視点が向けられ、動物の軟骨研究のパイオニアであるJ. プラッテン博士(ハーバード大学)は、牛の軟骨を用いて治療実験を行っていたが、鮫の軟骨が牛の軟骨との比較で脂肪分が少なく、血管形成を75%抑制する物質を1mg得るためには、牛軟骨は500g必要なところを、鮫軟骨では僅かに0.5gで済むことが判った。つまり鮫軟骨から抽出した抗脈管形成成分は、牛に比べて約1,000倍も効果があることが明らかになった。

鮫軟骨に抗脈管形成作用のある蛋白質が6-7種類あるとされていたが、1990年にその中の3種類が強力な抗脈管形成要素として特定された。これは細胞が作る最も大きなマクロプロテインと呼ばれ、ムコ多糖体と協力し治療上の効果を上げていることも判った。ムコ多糖体とは軟骨に含まれている複合炭水化物で、ムコ多糖体のコンドロイチン硫酸AやCには、炎症抑制効果があるために、様々な症状に有効である。

蛋白質の有効成分を損なわず、カーティレイドが精製されるまでには多大な研究と長い年月が費やされてきた。蛋白質は熱や化学物質に弱く、消化酵素によってアミノ酸に分解されると効果が失われてしまうため、カーティレイドは、200メッシュのスクリーンを90%以上通過する超微粒子に精製されている。

本品が奏効する癌として「乳癌、子宮癌、前立腺癌」に効果大、「固形癌」に対しとくに有効としている。

摂取方法:通常1回大匙で1杯(約6.6g)を目安に、1日3回水又はお湯で摂取する。

内容量500g中


水分 4.56%プロテイン 34.40%リン 56.05%

炭水化物 4.80%

ナトリウム 749mg/100g

カリウム 191mg/100g

カルシウム 18.94%

マグネシウム 322mg/100g

亜鉛 10.3mg/100g

亜燐酸 9.76%

脂肪分 0.19%

尚、本品は「健康食品」であり、医薬品としての取扱いはされていない。

[1998.9.4.古泉秀夫]


  1. 株式会社ツムラ学術課・私信,1994
  2. 上海科学技術出版社・編:中薬大辞典;小学館,1985
  3. Cartilade Club研修用資料,1994.7.15.
  4. SDIC-DI・私信,1994
  5. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編:FAX.DI-News,No.1056(1995.5.26)