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ガルシニアについて

木曜日, 8月 9th, 2007

?KW:健康食品・ガルシニア・ダイエット法・ガルシニアダイエット・タマリンド・マラバール

Q:ガルシニアとは何か、また主成分は

A:米国においてダイエット法の一つとして、“ガルシニア・ダイエット”がいわれている。使用される成分は、南アジア原産の植物ガルシニア・カンボジアの果実の皮を乾燥したものの抽出成分で、古くからインド南西部等で酸味のある調味料として利用されてきた。

別名:タマリンド・マラバール。

タマリンドエキスは、南アジア産の植物の果実から得られるもので、この植物は「マラバール・タマリンド」、「ゴラカ」等として知られているもの。タマリンドはオレンジ大の果実で、カボチャの形に似た形状を示す。南インドやタイではカレーなどの調味料(酸味)として使用され、生魚の保存や消化補助の目的で使用されている。最近、この果皮から抽出したタマリンドエキスが、ダイエット素材として注目を集めている。

タマリンドエキス中には、化学名ハイドロキシシトリックアシド(hydroxycitric acid;HCA)とするクエン酸に類似した物質が豊富に含まれ、1960年代にその存在が確認された。

タマリンド(Tamarindus indica L.)。Tamarind[英]、amli[ヒンズー]、puli[タミル]、hunase[インド]、siyambala[スリランカ]、magyi[ビルマ]、asam jawa[マラヤ]、wit asam[ジャワ]、makam[タイ]、sampalok[フィリピン]、trai me[ベトナム]、ampil[カンボジア]、mak kham[ラオス]、羅晃子、酸梅、酸角[中国]。  果実を調味料、清涼飲料、チャトニイ、酒とする。

  • 成分]果実は糖類、d-酒石酸、クエン酸、ギ酸、L-リンゴ酸等の有機酸を含み、また、セリン、β-アラニン、プロリン、フェニルアラニン、ロイシン等のアミノ酸及びピペコリン酸を含む。葉はd-酒石酸、L-リンゴ酸、ビテキシン、イソビテキシン、オリエンチン、イソオリエンチン等を含み、若葉と芽は銅を多く含む。
  • 薬理]果肉は緩下作用があるが、これはおそらく大量の酒石酸を含むためであり、煮熟するとその作用は消失する。種皮の外皮は大量のタンニンを含み、アフリカでは下痢の治療に用い、煎剤を膿瘍の治療に用いる。本植物のある部分は抗菌作用があるが、樹皮にはない。葉はin vitroでグラム陽性球菌、大腸菌に対して抑菌作用があり、有効成分は恐らくビテキシンであろう。

その他、ガルシニアの果実の皮に大量に含まれるHCAは、エネルギー合成や脂肪合成に関係するクエン酸回路中の酵素の働きを阻害する。余剰な糖質は、体内で通常は脂肪となって蓄積されるが、HCAが働くと脂肪、つまりコレステロールや中性脂肪の合成がブロックされるため、肥満解消や血中脂質の低下に直接関連する。

また、結果としてエネルギーの生産がより効率よく長時間行われるようになり、同時に余剰の糖質はグリコーゲンとしての貯蔵に回される。このようにHCAにより、脂肪の合成が減少するだけでなく、体全体のエネルギーレベルが上昇する等の報告がされている。

ガルシニアの主な働き

  1. 脂肪の合成を減少させる。
  2. 悪玉コレステロールの浄化を助ける。
  3. グリコーゲンの産出を増やす。
  4. 食欲を抑制する。
  5. その他、中枢神経を刺激しないので、その弊害が少ない。体に害がなく、糖尿病患者にも安全である。妊婦・乳幼児を除き、長期に摂取しても安全である等の報告がされている。

 [1998.8.25.古泉 秀夫]


  1. 株式会社フィリア・私信,1996.8.6.[03(3664)8201][商品名:ガルシニア]
  2. 熱帯植物研究会・編:熱帯植物要覧;養賢堂,1991
  3. 上海科学技術院出版社・編:中薬大辞典 第2巻;小学館,1985
  4. ガルシニア;日刊スポーツ,1996.4.10.
  5. ダイエットハーブ加工食品;日刊工業新聞,1995.5.9.
    [商品名:ガルシニア・スリム(大阪府堺市鳳北町10の39・中垣技術士事務所 0722(63)2356)]
  6. カレースパイスでやせる-インド原産ガルシニアエキス;読売新聞,1995.8.26.[商品名:ガルシニア・ダイエットスペシャル(ライフニック社;東京・渋谷)
  7. 国立国際医療センター薬剤部医薬品情報管理室・編「ガルシニアについて」NHS.DI-News,No.1544,1997.5.26